てとてと通信「私の好きな絵本」のコーナーより転載しています。
                                                                   
                                                                             文責・アオキカナコ

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       「きつねのおはなはん」

    子どもの頃、このお話が大好きでした。
    何がそんなに楽しかったのだろう、とあらためて考えてみました。
    
    「きつねのおはなはん」というのですから、「おはな」はきつねなのです。
    けれど、きつねが化けている人間は、おはなだけではないのです。
    そのことに気がついて、「自分だけが秘密を知っている」という満足感を味わいたくて
    何度も読んでもらったのかもしれません。
    絵をよく見ていると、おはなが化けている人間のヒントが描かれていて、楽しめます。 
         
                                         福音館書店1978
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       「すぐそこのたからもの」
         
         よしもとばなな著
     
    著者と息子さんとの日々のエッセイ集です。
    子どもの「今」をきちんと感じること、それは、きっと誰にでもできることなのだと思います。
    情報があふれ、人間関係が複雑になり、知らず知らずのうちに、親も保育者も、何かの型に
    はまっていってしまうような気がします。
    「よい親」「よい保育者」……。そんなものはどこにもなくて、あるのは、自分と目の前にいる
    子どもとの関係だけ。
    目の前にいる子どもの「今」をきちんと感じることができれば、それ以外に何もいらない、と
    思います。
    忙しい毎日で、大人は大変かもしれませんが、子どもはもっと大変です。
    小さい体で、たくさんのことを受けとめ、少ない経験のなかで、自分なりに処理をしていかなければ
    ならないのです。
    著者のような大人がそばにいてくれたら、子どもも大人だってもっと楽に生きられるのに…。

                                           文化局出版2011
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       「ちいさな ちいさな おんなのこ」

         作・フィリス・クラシロフスキー 
         絵・ニノン
         訳・福本友美子
         

    小さかった女の子が、おおきくなる。
    昨日は届かなかったところに手が届くようになる。
    庭の木よりも大きくなる。
    何かができるようになるだけでなく、「大きくなる」ただそれだけのことが、
    子どもにとっては、大きな喜びなのです。
    大人には、ささいなこと、と感じることも、子どもにとっては大事なことがたくさんあります。
    その瞬間に立ち会うことができたら、これほど幸せなことはないと思うのです。

                                          福音館書店2011
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        「ペレのあたらしいふく」

         作・絵 エレサ・ベスコフ
         訳・おのでらゆりこ

    現代は、ものでも情報でも、望めばすぐに手に入れることができます。
    24時間開いているコンビニエンスストアがあり、インターネットで欲しい情報に瞬時にたどりつくことができます。
    そうして、私たちは豊かになっているのでしょうか。
    
    知りたい情報にたどりつくまでに、いろいろなところへ寄り道をしながら、思いもよらない物事に出会う。
    欲しいものを手にいれるために、工夫をしたり知恵をしぼったりする。
    時間がかかっても、遠回りをしても、工夫や苦労をして手に入れたものには、自分だけの価値がでてくると思うのです。
    
    ペレは新しい服を手にいれるために、さまざまなことをします。
    大人たちは、ペレに出来る仕事を与え、ペレの服作りを助けます。
    ペレが子どもだからといって、無条件で手を貸すのではなく、ペレにできることの対価としての手助けなのです。

                                           福音館書店1976 
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       「わゴムはどのくらいのびるかしら?」

         文・マイク・サーラー
         絵・ジェリー・ジョイナー
         訳・岸田衿子
          
   輪ゴムはどんくらいのびるのか?試してみたことありますか?
   そんなことをやってみた子のお話です。
   「そんなことできるわけないよ」って言われそうです。
   でも、あなたの輪ゴムは切れてしまっても、どこまでも伸びる輪ゴムもあるかもしれない。
   そんなことを考えると、楽しくなってきます。

   もしかしたら…?ちょっとくらいは、この輪ゴムでも…?
   クスクス笑い合う、そんな時間が共有できる人がそばにいるといいな、と。

   結局、輪ゴムはどのくらいのびるのでしょう?
   最後の落ちも私は好きです。

                                           ぽるぷ出版1976
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       「たいせつなこと」

        文・マーガレット・ワイズ・ブラウン
        絵・レナード・ワイズガード
        訳・内田也哉子
  
   大切なことってなんでしょうか。
   風にも、雲にも、靴にも、大切なことがあります。
   それは、あまりにあたりまえのことで、それよりももっと大切なことが
   あるのではないか、と思ってしまいます。

   けれども、あたりまえだからこそ、大切なのだと気づきました。
   私たちは今、多くの不安や心配の中で、あたりまえだと思っていたいたことが、
   そうでなく、いつものことがいつものようにあることの大切さを感じているのではないでしょうか。
  
   あなたにとって、大切なことは「あなたがあなたであること」。
   子どもも、大人も、すべての人にとって大切なことが、守られ暮らせる日がくるようにと願います。

                                            フレーベル館2001
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       「はっぱみかん」
 
        文・風木一人
        絵・山口マオ

   葉っぱつきのみかん。彼は自分のことを「特別なみかん」といばっていますが、
   大事な葉っぱがとられてしまい、「ただのみかん」になってしまいます。
   とても落ち込む彼ですが、他のみかんと話すうちに「葉っぱがなくてもぼくは、ぼく」と気がつきます。

   この本「自分らしさとは何か?」というブックレビューを読みました。
   けれど、私は「自分がすごくこだわっていること。でも、他人からみたらどうでもいいこと」の話にも思えました。
   そういうこと、たくさんあります。
   他人からみたらどうでもいいことなのだとわかって、自分のこだわりのくだらなさに気がついたり、
   そうわかっても  やっぱり変えられなかったり…。
   そういうことも含め、自分らしさって何なのだろう?とういうことなのかもしれません。


                                             佼成出版社2007
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       「ジャイアント・ジャム・サンド」

        文・絵 ジョン・ウ゛ァーノン・ロード
        訳・安西徹男


  チクチク村に400万匹のハチの大群がやってきた!
  パン屋のおじさんがハチ退治のために、ジャイアントジャムサンドをつくることを思いつきます。


  イチゴジャムでハチをおびきよせて、サンドしちゃえ!という発想にビックリ。
  でも、村の人たちは本気なのです。
  巨大なパンの生地を作って、焼いて、運んで、ジャムを塗って…。
  その工程がすべてジャイアントで魅力的。
  (作者は、パン屋の息子だそうです。納得)
  よく見ると、パンの生地におぼれている人、勝手に休んでいる人もいます。

  ジャムサンドのハチ退治は成功するのでしょうか?
  そして、ジャムサンドの行方は…?



                                                  アリス館